軽便讃歌2011/10/13 01:19:53

今年の軽便鉄道模型祭で頒布された冊子です。
発行元の南軽出版局のご関係者の皆様には
入手方法の問い合わせに親切に対応していただき、
感謝の念に堪えません。通販で入手できるという
ご案内をいただいたので、早速注文しました。


この冊子は去年の軽便祭のプレイベントの講演録です。
かの「けむりプロ」の当事者の方が当時を回想されているほか、
けむりプロの中核のメンバーで乗工社の創設者だった
倉持尚弘さん(故人)についても、長年の知人が語っておられます。
それらを読みたくて、多くの人の手を煩わせつつも入手したというわけです。

けむりプロといえば、私にとっては交友社の「鉄道讃歌」です。
キネ旬の蒸気機関車での一連の発表は、40代を前にして
鉄道趣味に復帰してから、古本を買いあさって知ったクチです。
けむりプロの功績は、私が語るまでもなく(語るほどの蓄積もないですが)、
私が知らない時代の鉄道を世界中のあちこちに足を運んでたくさん見ておられ、
それらをすばらしい写真とともに独自の視点で臨場感たっぷりに語り、
さらに模型の世界に物語性を持ち込んだ方々なのは周知のとおりです。

これまでは本や雑誌の記事で発表された「作品」でしか接点がなかったのですが、
この冊子では軽便鉄道を中心に、当時の撮影行の裏話、背景、舞台裏が語られます。
かの「南部軽便鉄道」誕生についての経緯も、もちろん触れられています。
そうした舞台裏に触れることができ、ますます親しみと憧れが募ると同時に、
その足跡の偉大さを改めて感じずにはいられません。

この冊子の表紙の写真は、どこかで見た記憶があります。
遠州鉄道奥山線なのですが、「世界の鉄道68」だったでしょうか。
この気動車を「ぽんぽこ狸」と名付けていたとか、
草軽電鉄の機関士が運転しながらカレーを食べていたのを目撃したとか、
真冬の上芦別で給水塔に寝泊まりしたとか、
この冊子がなければ知り得ないエピソードが盛りだくさんです。
それを読んでいるだけで楽しい気分になり、
自分も一緒にその現場にいたかのような気分にさせてくれます。
けむりの作品は、見る者に現場を疑似体験させてくれるかのような
臨場感と訴求力を備えていますが、こうした小さなエピソードを知ることにより、
その「疑似体験感」はさらに具体的になるような気がします。

わずか24ページの小冊子ですが、けむりのフォロワーにとっては
玉手箱のような一冊だという気がします。

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